2017-03-08

003_つちのと舎 改修プロジェクト3

つちのと舎のダイニングキッチンの天井を取り払い、あっという間に解体作業から大工仕事へ進みました。
専門の職人の仕事は驚くほど迅速で感心します。

3月に入り、最後の総仕上げとなる壁の珪藻土塗り。
お施主様の方でも左官仕事を習い、DIYの実践をされています。
そして本工程の左官仕事も、いよいよ最終工程に。















最小限の工事でしたが、吹き抜けと、白く明るい色の壁仕上げにより、圧迫感さえあった小さな室内も、伸びやかな空間として感じられるようになりました。


今日は現場の皆さんやお施主様とお茶休憩をご一緒しながら世間話しなど。

かつての左官仕事とは、受け持つ仕事内容の幅が広かったと言えるのでしょう。
地方の家づくりにおいては、瓦屋根から内外装の左官仕上げ、薪で焚く風呂窯の施工などを左官職人が全て一人で行って当然という時代でした。














今では、そのような技術を持った腕の良い職人も減ってしまい、古い民家の修繕作業もできる職人が少なくなったのだとか。
現場の皆さん曰く、
屋根の上に上ってすいすいと動ける人も減り、昔ながらの工法や職人の知恵が引き継がれず、この地域に残る古い民家や寺の屋根瓦の修繕にあたることのできる人は限られているとのこと。


当たり前と捉えてきた技術が、当たり前でない時代になっている。

さほど古くない在来工法の建物も、まさか、というような場所がすぐに傷んでくる。

大きな現場を受注した際に、手伝いを依頼できるようなレベルの職人が地元ではほとんどいなくなった。

技術を身につけた若い世代はまだまだ育っていない。


・・・・沢山のお話しをうかがいながら、技術を活かす場や、技術を継承する仕組みづくりの必要性を強く感じました。

これから設計者として、地域に暮らす建築家として、関わりや支えとなることをしっかり考えていきたいと、改めて思った一日でした。

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