今年も出雲地方は神在月を迎えました。
この季節には珍しい晴天に恵まれ、会議に出かけた西からの帰り道
三瓶山の麓で見た日暮れの風景が美しかったです。
神無月、出雲地方では神在月。
全国から八百万の神様が出雲へお集まりになる期間と言われています。
稲佐の浜にて神様をお迎えする神迎(かみむかえ)祭と呼ばれる儀式にはじまり、
1週間ほど滞在されたのち、神様が御発ちになる神去出(からさで)祭が行われます。
そして御発ちになる頃、出雲地方は本格的な冬がやって来ます。
出雲滞在の目的が縁結びの話し合い・・・というのは
江戸時代の出雲大社の御師による俗説。
地元ではお忌みさんとも呼ばれていますが、
神迎の期間は昔から家に篭って音を立てずおとなしく過ごすようです。
一度は神事を見てみたいという興味本位から、去年初めて行ってみましたが、
おそろしさと不思議さを感じ、そそくさと帰りました。
人々の命が死と隣合わせだった時代、晩秋から冬にかけて急激に寒くなることもあり
病弱な人、幼い子どもやお年寄りなど、亡くなる人の数が増える季節だったのでしょう。
黄泉の国からの来訪者を静かに迎え、何事もなくお帰り頂くのがよろしいかと。
ちょうど民俗学にあかるい知人の話を聞いて、なるほど、と思ったのでした。
皆さま、よい季節をお迎えくださいね。
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